2003大斎家庭集会

司祭アンデレ 中村 豊
 大斎を有意義の過ごす一環として今年度は各地で家庭集会が開かれました。「キリスト教と原理主義」と題し、「キリスト教原理主義」「イスラム原理主義」「キリスト教とイスラム教」「原理主義からの克服」の四つテーマに分け、現在まで三カ所で開催され、各集会には二十名以上の参加者がありました。丁度イラクで戦争が勃発し、キリスト者として今回の戦争をどのように考え、行動するかについて多くの意見が出されました。一、二回の集会で参考とした文章を短く載せてみます。

 「原理主義」
 
 原理主義者にとって、現実は単に自分にとって意味のあるものへと矮小化される。原理主義者は、秘密を探さないし、発見もしない。彼らが探し、見つけるのは自分の見解の確認か、その見解に対して不当な手段で戦いを挑む敵なのである。こうして、彼らは異質なものや自分自身の懐疑をすべて一方的に拒絶する。(W.フート)

「イスラム原理主義」

 イスラム原理主義は近代化へのひとつの対応の仕方であるが、思うようにはかどらない近代化に対する解決策である。
 アラブ世界では、多くの国が急速に増えている都市人口に必要な社会福祉サービスを提供していないか、する必要を感じていてもできないでいる。そのため、失業者や新たにやってきた都市生活者は、宗教に救いと精神的な指針を求め、医療福祉の支援、失業者の援助を与えてくれる原理主義組織にすがることになる。なかにはテロに深く関わっている組織もあるが、こうした組織は近代化がもたらす「緊張」に対処しようとする人々の基本的なニーズに応えているのだ。(Sハンチントン)






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