冬空スマイル

司祭 ヨハネ 芳我秀一

Merry Christmas!

 12月の初めにナザレ修女会の招きで久しぶりに沖縄を訪問しました。朝夕は肌寒く、沖縄にも冬があることを初めて知りましたが、昼間は暑く寒暖の差が大きいので体調を維持するのに少し戸惑いました。
滞在期間中には摩文仁にある平和祈念資料館を始め首里城や海洋博公園など案内して頂き、また名護市屋我地にあるハンセン氏病の施設である愛楽園を訪問。園内の人々や神戸教区縁の人々ともお会いできて感謝でした。
  さて沖縄最後の夕方の事です。周囲は真っ暗になっていましたが、自動車に乗せてもらい名護から那覇に向かって高速道路を走っていました。するとフロントガラスの上の方に光り輝く大きな二つの星が見え、その下には弧の部分を下にした三日月が在りました。しばらくその様子をじっと見ていたら、なんとなく人が笑っているように見えてきました。同乗の人たちも同感らしく、とてもユーモラスで心が和んで暖かくなりました。
翌日、朝刊を読んでいると、昨晩見たのと同じ天体の写真が「冬空スマイル」という見出しで掲載されていました。多くの人々が同じように感じたらしく国立天文台にはあの星についての問い合わせが殺到したそうです。二つの大きな星は金星と木星でこの時期に最も接近したのだそうです。

〈語りかける光〉
  このように光は私たちの心に何かを語りかけて来ます。イエス様がベツレヘムの家畜小屋で生まれた時、神様が天使を遣わして最初にこの知らせを伝えたのはその地方で羊を飼う羊飼いたちでした。彼らは貧しく、やもうえず律法を守ることが出来ず人々からは軽蔑され、心が冷え切っていた人々でした。しかし神様はそんな彼らを主の栄光もって照らしたのです。
『すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので彼らは非常に驚いた。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」』(ルカ伝2:9-11) 
  羊飼いたちは非常に恐れながらも天使の言葉が真実であるのか確かめるためにベツレヘム行きます。そして飼い葉桶の中に寝かせてある乳飲み子に見えた時、天使の言葉が真実であることを確信しました。そして羊飼いたちは自分たちのことをこれ程までに心に留めてくださる方がいることにはっきりと気づいたのです。彼らはもはや一人ぼっちだとは思っていません。自分たちのことを理解して下さり共に歩んで下さる方がいて下さる、その真実を知ることが出来たのです。

〈光と共に歩む〉
  まもなく新年を迎えます。世界は政治、経済あらゆる分野で変動激しく一寸先は何も見えません。手探りで歩き続けるしかありません。しかし真の光であるイエス・キリストは既にこの世界に来られ光り輝いておられます。どのような真っ暗闇にあってもこの光と共に歩んで参りましょう。


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