エコ・エコ・エコ

司祭 パウロ 上原信幸

 いよいよ大聖堂の耐震改修工事が始まりました。地下ホールでの礼拝になり、夏の間、教会の皆さんには、かなりの辛抱をしていただかなくてはなりません。作業にあたる方々も、雨の日も休み無く、完成を急いでくださっています。
 その上、工事のついでに、道路にはみ出している枝を切っていただいたり、不要品の処分を手伝っていただいたりと、工事の方々には色々と良くしていただいています。
 大聖堂前に置かれた大きなコンテナには、工事で出た廃棄物が入れられています。無造作にゴミが捨てられているようですが、後でそれぞれ仕分けされて、金属も木材もチップとなって再生されるそうです。

わたしたちの家

最近エコという言葉をよく耳にしますが、これはもともとギリシャ語の「家(オイキア)」に由来する言葉です。「家(エコ)」の「規律(ノモス)」がエコノミーで、私たちの住む大きな家(生態系)についての「学問」がエコロジーということになります。
 このオイキアはキリスト教にも深い関係があり、教会を意味する「チャーチ」という言葉も、「主の家」が語源です。
 新約聖書で使われている教会は、「集会」を意味する「エクレシア」という言葉でした。しかし、「主の家」という言葉も、単に建物を意味するだけではありません。家といった時、それは建物だけではなく、家族や仲間、共同体全体を表すように、神の民全体を表しています。
 さて、私たちの家である大聖堂は今年で築50年を超えました。コンクリートの建物の耐用年数は約60年ともいわれています。
 もちろん60年経つとその日から使えなくなるわけではありませんが、車でいえば10年10万キロを走ったようなもので、建てかえられるケースも多くあります。
 しかし、検査の結果コンクリートの強度もしっかりとしており、手入れをすれば、まだ数十年は使用可能だということで、「神戸聖ミカエル大聖堂を百歳まで」を目標に手入れが始まりました。
 次の世代に負債ではなく、より良い環境を残したいということが、ミカエル教会の受聖餐者総会の意図だと思います。
 そして単に40〜50年寿命を延ばすための補修というだけでなく、私たちの家、神様の家として、より充実したものとするための苦心も、ここに到るまでに多々あったと思います。

主の宮として

 オイキアからできた言葉に「エキュメニカル」というものがあります。これが教派を超えたキリスト教の働きを意味します。
 この冬には竣工した大聖堂で市民クリスマスの開催を依頼されました。まさに私たちの家が、教派を超えた教会の家として用いられようとするわけです。
 近隣の他教派の教会の青年たちの交流も行われていますが、ますます主の宮として用いられるように励みたいわけです。
 口語訳の聖書で「徳を高める」と訳されていた言葉は、「オイコドメオー(家を建てる)」という、ギリシャ語でした。
 私たちのこの働きが次の教会の徳を高め、神様の宮として用いられることを願ってやみません。

霊の賜物を熱心に願っている
以上は、教会の徳を高める
ために、それを豊かに受ける
ように励むがよい。
        コリントT 14:12


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