老人は夢を見若者は幻を見る

司祭 パウロ 上原信幸

 11月23日に教区会が開催され、来年度の教区指針が示されました。
その中で「神戸教区宣教検討委員会」が新しく設置されることに決まりました。これは倉敷伝道所宣教検討委員会を発展解消し、あたらしく教区全般の宣教について検討するための委員会です。
 しかし、この委員会がきちんと機能するためには、各教会がそれぞれの地域の中で、どのような使命を持つ存在であるかを自覚する必要があります。
 そのための助けとなるよう、来年7月18日に、神戸教区宣教協議会が開催されます。各教会が、いわばそれぞれ健康診断を行い、弱点を認識し、その対応を考えることを行い、健全に成長しようとするものです。もちろん他教会等との協働も必要ですので、伝道区単位でも課題を把握していくことが、大切になります。
 宣教という教会の使命について全聖公会で共有されている定義は、次のようなものです。

  1. み国のよきおとずれを宣言すること
  2. 新しく信徒になった人を教え、洗礼を授け、養育すること
  3. 愛の奉仕によって人間の必要に応えること
  4. 社会の不正な構造を変革するように努めること。
  5. 被造物の本来の姿を保護するように努め、地球の命を支え、新たにすること。

 このような観点から、私たちの教会のなすべきことを、共に考えていきたいと思います。

  互いに尊重すること

 また、今年度の教区会では、昼休み後の1時間をセクシャル・ハラスメントの勉強会としました。
 セクシャル・ハラスメントという言葉は、ともすれば性的犯罪と同義語とも理解されがちです。しかし、日常の何気ない冗談や挨拶の中でも、人に不快な思いをさせる可能性があります。
 今後は各伝道区・教会単位でも、研修などの啓発活動が実施されます。 また、教区ではセクシュアル・ハラスメントにかぎらず、あらゆるハラスメントが教会の中から根絶されるために、組織なども改革し、取り組んでいこうとしています。
 教区内のニュースとしては、来年3月には、ブラジル聖公会をご退職された後、徳島・呉と嘱託司祭としてご奉仕された松尾常雄司祭が、ブラジルに帰国されます。
 また、倉敷伝道所は、「伝道所」という言葉が、一般の人にはキリスト教の施設であると判りにくいということで、通称を「聖クリストファー教会」として活動を行います。

  未来のビジョン

 いよいよ降臨節に入り、クリスマスを迎える準備と共に、教会の新しい年が始まりました。
 夢幻というと、不確かなものというイメージがありますが、創世記にあるヨセフの夢解きのように、聖書の中では、しばしば神様は夢や幻を通して私たちに新しいビジョンを授けられます。
 しかし、ヨセフが大凶作の中でも、国を救うという偉業を実現するためには、明日を見据え、着実に準備を進めることが必要でした。
 「神の国」の到来という夢の実現のために、しっかりとこの世界を見据えたいと思います。

わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。あなたたちの息子や娘は預言し、老人は夢を見、若者は幻を見る。
ヨエル書3章1節


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